「8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動」は、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。近年「8020」を達成している高齢者は増加している一方で、高齢者の増加に比例して「8020」を達成していない高齢者も依然として多い状況です。そこで今回は、「8020」を達成するための予防と対策について解説していきます。
歯を失ってしまう大きな理由とは?
8020運動の始まりは、1981年のこと。WHO. FDI が西暦2000年に向けての「歯科保健目標」を提唱し、「50%以上の者が機能歯を20歯維持することが可能となること」などを掲げました。当時、日本では「8020」を達成している高齢者(後期高齢者:75歳以上)は10人に1人にも満たない状況でした。
その後、平成元年に厚生省(当時)と日本歯科医師会が「8020運動」を提唱し、 自治体、各種団体、企業、そして広く国民に呼びかけてきました。8020達成者の割合は年々増加し、2022年の歯科疾患実態調査では、全国の75~84歳の51%が達成してることが示されており、今後もさらに増加することが予測されています。
しかし、高齢者の歯の状態は良くなりつつありますが、まだまだ困っている人が多いのが実状です。「8020」を達成するためには「歯の喪失をいかにして防ぐか」がポイントとなり、歯の喪失の2大原因は「むし歯」と「歯周病」です。つまり、むし歯予防と歯周病予防を充実させることが、歯の喪失の防止と活動能力(ADL)や生活の質(QOL)の維持につながります。
8020達成に向けて、大切なセルフケア。つまりはブラッシングにあり
まず歯の健康を守るためには、家庭でできるセルフケアが代表と言えます。つまり、歯ブラシによるブラッシング。セルフケアでは下記のことを意識して取り組みましょう。
・磨き残しに注意
ほとんどの人が1日2回以上みがいているのですが、みがき残しが多いのが現実です。ものを食べた後は、歯垢のたまりやすいところを重点的に磨きましょう。
・定期的な歯ブラシ交換
古くなった歯ブラシは機能が弱まり、同じ時間磨いても、歯垢をしっかり落とせません。歯ブラシの交換時期は、少なくとも1ヶ月を目安に新しいものと交換しましょう。
・自分に合った適切な歯ブラシを。
歯ブラシには種類があり、長さ・大きさ・毛先の形状や硬さなどさまざま。歯科健診の時や歯科医院で相談しながら、口や手の大きさ、歯並びなどの口の状態、歯間や歯肉の状況に合わせて最適なものを選びましょう。
・フロスや歯間ブラシを併用しよう
歯と歯が接している面、歯と歯ぐきの境目、奥歯の噛み合う面にある溝の部分などには、毛先が届きにくいもの。ブラッシングに加えて、フロスや歯間ブラシを使えば、お口の中の歯垢のほとんどを除去することができます。
・歯ごたえのある食事やガムを習慣に
現代の食事は柔らかいものが増えて、噛む回数が減っています。噛むことは全身に様々なメリットがあるため、食材や調理方法などを工夫しながら、食事以外にはガムも噛むなど、普段から噛む習慣を身につけましょう。
歯への健康投資を忘れずに。相談は相模原古淵のみんなの歯科医院へ
セルフケアは8020を達成するためのベースとなりますが、プロケアを組み合わせることでさらに口腔環境が整います。歯科医院での定期的なメンテナンスは多少の費用がかかるものの、「健康を増進し、発病を予防する」という一次予防の点で大きく期待できます。
歯を失ってしまうと、虫歯治療やインプラント、入れ歯など将来大きな費用を負担することに。まずは健康投資と考えて、かかりつけの歯科医院で定期検診することをお勧めします。
相模原古淵の「みんなの歯科医院」では、プロの歯科衛生士が行う「フッ素塗布」によるケアなど予防歯科に取り組んでいます。もちろん定期検診のほか、矯正治療、むし歯治療、歯周病治療など様々な歯のトラブルに対応していますので、まずはお気軽にご相談ください。